私は珈琲くるるという珈琲豆屋(オンラインショップ)を営んでいる。
珈琲くるる
珈琲を淹れて飲む。ふっと頭に浮かんだことを心にとどめながら珈琲の木を育てる国のことを思ってみる。くるるくるると思いが世界をかけめぐる。珈琲くるるの珈琲を飲む人の毎日にそんな時間ができればいいなと思うのです。
coffeekururu.stores.jp
世の中が不安に押しつぶされそうな2020年4月。
私は、エリー学園に入学した。
道案内をしたことがきっかけで、エリー学園に入学することになったわけだが、これが、珈琲くるるの核を形にすることになるとは、このときは知る由もなかった。
過去において、自分が新入生だった頃のことを思い出してほしい。
手探りの毎日にふわふわとする感覚。
これは、エリー学園でも感じた。
何を書けばいいのか躊躇するブログ、オンライン上で交わされる学園生同士のぎこちないやりとり。
ただ、私が発した言葉に返ってくる学園生の言葉は、いつも相手を思うやさしさに包まれていることには、早くに気がついていた。
いつのまにか、学園生と過ごすエリー学園は、私にとって、とても居心地の良い場所になっていった。
そんなとき、数人の学園生が、「珈琲くるるの珈琲を飲みたい。」と声をかけてくれた。
2020年3月末から営業を自粛していた私にとって、その言葉がどれほどありがたかったことか。
その気持ちがうれしくて、うずうずし始めた。
珈琲豆を焙煎しよう。
珈琲くるるでは、毎月、2種類の珈琲豆を1セットにしてお届けしている。
定番はない。
珈琲豆の種類は、月によってばらばらだ。
それは、その月の私の思いを込めて、珈琲豆を焙煎しているから。
珈琲を飲んだ時に感じる思いはひとそれぞれ。
柑橘系やチョコレートといった表現でひとくくりにすることはできない。
世間の正解不正解ではなく、自分が感じた思いを大切にしてほしい。
だから、珈琲豆には思いを名前にして、つけている。
2種類の珈琲豆には、味を表現するために、私の思いを名付けているけれど、本当は、名前をつけずに、珈琲豆を届けたい。
珈琲くるるの珈琲を飲んで、心に浮かんだ思いを聞き、語り合いたい。
そして、おのおのの思いを名前にして、珈琲豆に名付けてほしい。
これが本音だ。
でも、この本音を形にするにはどうしたらいいのだろう。
エリー学園では、個人でイベントを開催することができる。(ご時世&学園生が世界各地に住んでいるため、主にzoomイベント)
学園生に珈琲豆を届けたなら、イベントで、同じ珈琲を飲み、思いを語り合えるのではないだろうか。
そして、珈琲に名前をつけてもらえるのではないだろうか。
そう思ったら、私は居ても立っても居られなくなった。
2020年5月。
名前のない珈琲が生まれた。
そして、毎月の珈琲は2種類の珈琲豆と名前のない珈琲のセットとなった。
エリー学園では、【珈琲で思いを共有してみよう】というイベントを開催し、名前のない珈琲について、学園生と思いを語り合っている。
ちなみに、学園生の思いは、Instagram(アカウント名_coffeekururu_)で紹介している。
エリー学園に入学したから。
学園生との交流があったから。
偶然のきっかけは、私にとっては必然だったのだと思う。
クリエイティブの芽がそこかしこに散らばっていて、それを育て合う仲間がいるエリー学園。
ここは、名前のない珈琲が生まれたところだ。